光の少女Ⅳ【神魔界編】

第8章 決断

1
(半径一kmを消し飛ばすほどの兵器か・・・。そんなのが使われたら・・・)


夜、ベッドに横になり、黄牙の言っていたことを思い出す。

もしそんなものが使われたら、どのくらいの被害が出るのかはわからない。

それにもかかわらず、黄牙の言う言葉を信じようとしなかった総長のせいで、彼は一度戻ってしまった。


(それに、何だろ?この感じ・・・、何だか落ち着かない・・・)


「・・・眠れないの?」


寝付けなくて寝返りをうっていると、すぐ隣のベッドにいた琴音の声がした。
「ごめん、起こしちゃった?」

「ううん、たまたま目が覚めただけ」


琴音がそう返してきた時、花音の枕元で丸くなっていた白亜が身体を起こす。

かと思うと、何かに怯えるように声を上げて暴れだした。


「ピッ?ピイ、ピイイイィィ!」

「ちょ、白亜!皆、寝てるんだから、静かにして」

「ピイイイ!」


花音が注意しても、声が聞こえていないのか騒ぎ続ける。

それを不思議に思っていると、不意に外が明るく照らされ、大きな爆発音が聞こえた。


「な、何っ、今の音?それに今の光・・・」

「神界軍本部なら何かわかるんじゃない?」

「私、ちょっと聞いてくる!」


花音はそう言うと、部屋を出た。
< 53 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop