光の少女Ⅳ【神魔界編】
「・・・この前来た彼の話を信じるなら、魔界へ行って直接破壊しないといけないらしいけど?」
「・・・・・・」
視線を向けた聖羅に、総長は溜め息をつき、渋った様子で口を開いた。
「・・・・・・仕方あるまい」
「ですが、あなた、魔界へ行けば、我々の力は自然と制限されてしまう。それについては・・・」
「・・・だが、他に方法はないのだろう」
反対らしい副総長が口を開くが、直ぐに黙りこむ。
「せめて、魔界の空気に慣れるまで様子を見れる場所があればな」
「ふふ、それなら心配いらないわ」
龍牙が呟くと、不意に神麗が笑った。
「心配ないって、どういうことだ?」
疑問を感じたらしい白夜が聞く。
「ええ、沙羅さんの手紙に書いてあったのだけど、魔界で拠点に出来そうな場所を見付けたそうよ」
「その場所は?」
「さぁ・・・。この前の彼が、そこへの案内役でもあったんでしょうけど。追い返してしまったもの」
「それって、黄牙くんのこと?」
花音が聞くと、神麗は頷いた。
「・・・でも、追い返してしまったのなら、仕方ないわ。また誰かが来るのを待つしかないでしょうね」
そう言うと、神麗はやることがあると出ていってしまった。