光の少女Ⅳ【神魔界編】
「どうしたの?」
「・・・思ったより、随分早いな」
「えっ?」
言葉の意味がわからず、首を傾げた時、「ドオォンッ」という音が響き、その震動でか辺りが激しく揺れた。
「っ、今の・・・」
急いで近くにあった窓から外を見る。
街の入口の方では煙が上がっていて、街の中は慌ただしくなっていた。
「・・・奴等が動いたんだろ。あの五人の内の誰かもいるかもしれないな」
風牙が言い、花音は窮姫達が来ているかもしれないと背を震わせる。
その時、瑠璃が飛んでくるのが見えた。
「あ、いたいた!」
「瑠璃」
「何だ、チビ」
「チビじゃない!っていうか、風牙は何してるの?沙羅達は行っちゃったよ」
「えっ?行っちゃったって」
風牙に言い返した後、続いた言葉に、花音は目を丸くする。
「知ってるでしょ?今、攻撃を受けてるのは。ほら、風牙はさっさと行く!」
「わかってるよ、チビ」
言って、風牙は姿を消す。
「だから、チビじゃないってば!風夜はちゃんと名前を呼んでくれるのに・・・」
「まぁ、似てても別人だからね」
「・・・まあ、いいや。とにかく、花音はこっちだよ」
そう言うと、瑠璃は花音の服を引っ張った。