光の少女Ⅳ【神魔界編】

第3章 可能性

1

「っ・・・、お前、向こうに行ってたんじゃなかったのか?」


体勢を立て直した牙王が風夜に向かって言う。


「ああ。・・・だが、どうも嫌な予感がしたんでな。戻ってきたんだよ」


そう返しつつ、風夜は神蘭達より前に着地する。かと思うと、近くにいた神蘭達を花音達の方へ吹っ飛ばしてきた。


「えっ?えええっ!?」

「おい、何してんだよ!?」


思いもしていなかった風夜の行動に花音と光輝は声を上げる。

だが、風夜はそれに何も言わず、花音達の方へ手を翳す。

それと同時に、花音達はドーム状の膜の中へ閉じ込められた。


「あなたっ!一体何のつもり!?」


それを見て、聖羅が声を上げる。


「その中にいれば、お前達に危険はない」


言って風夜は牙王へ向き直る。


「ここからは、俺が相手になってやるよ」

「・・・神族を庇って、同族の我らと敵対するつもりか?それも、つい最近魔族として誕生したばかりの若輩者が!」


その言葉に、風夜は「ふっ」と笑った。
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