光の少女Ⅳ【神魔界編】
2


「なんか、あいつ、人変わってないか?」


牙王が消えるのを見ながら、光輝が呟くのが聞こえてくる。

その直後、振り返ってきた風夜が、花音達の方を見て、眉を少ししかめる。


「・・・何だよ?」


その視線を向けているのは神蘭達のようで、彼女達は何処か複雑そうな表情をしている。


「・・・どうやら、今回はここまでみたいだな」

「わわっ!?」

「うわっ!?」


張り詰めたようにも感じる空気をどうしようかと思っていると、すぐ近くで声がして、花音と光輝は飛び退く。

そこにはいつ来たのか、風牙の姿があった。


「そっちは、どうなった?」


神蘭達から視線を外した風夜が問い掛ける。


「ああ。お前が五将軍の一人を倒したことで、引き上げた。他の奴等も、此方へ戻ってきているところだ」

「そうか」

「・・・にしても、随分派手にやったな。これじゃ、俺のこと言えないぜ」


牙王を吹っ飛ばした辺りの地面が大きく抉れているのを見ながら、風牙はニヤリと笑う。


「・・・まぁ、少しやり過ぎたのは否定しないさ」


そう返すと、風夜は溜め息をついた。
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