光の少女Ⅳ【神魔界編】
襲撃の為、街へ出ていた夜天達が戻ってきた後、花音は部屋で休息をとっていた。


(それにしても・・・)


牙王の襲撃の時を思い出す。

あの時、風夜が戻ってきてくれなければ、自分達は、ただでは済まなかっただろう。

だが、それと同時に風夜の存在を少し遠く感じてもいた。

その時、ドアを叩く音がして、神麗が入ってくる。


「今日は朝から大変だったわね」

「・・・そうですね」

「蘭ちゃん達も、慣れない内にああいうことになって参っていたみたいだし、・・・戻ってきてくれた彼に感謝しないとね」


神麗が言い、クスリと笑う。

それを見ながら、聞きたいことがあって、花音は口を開いた。


「でも、大丈夫なんですか?風夜は助けてくれたけど、その前に神蘭さん達のこと、思いっきり吹っ飛ばしてたから」

「それなら、大丈夫よ。というより、あれでよかったの」

「えっ?」


笑いながら言う神麗に、花音は不思議そうに彼女を見る。


「だって、蘭ちゃん達は下がれといわれて、素直に下がる子達じゃないもの。だから彼も、強制的に下がらせたのよ」

「・・・・・・でも」

「蘭ちゃん達も、それはわかっているはずよ。ただ、今は戸惑いが強いのでしょうけど」

「そう言えば、何だか複雑そうな表情だったっけ」


花音はそう言いながらも、神蘭達の表情を思い出していた。
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