光の少女Ⅳ【神魔界編】

第4章 異変

1

魔界へ来て数日後、花音は朝目が覚めて、大きく伸びをしていた。

日が経つにつれ、少しずつ体調が回復している気がする。


(これってやっぱり、この世界に身体が慣れてきたってことかな?私がこうなってきたってことは、神蘭さん達も・・・)


魔界では、光の一族と神族は本来の力を出せないということで、この街で身体が慣れるのを待っていたのだ。

慣れてきたのだとすれば、本格的に動くことになるだろう。

そんなことを思っていると、少し様子の可笑しい夜天の姿が目に入った。

頭が痛むのか、ずっと押さえている。

それだけでなく、たまに何かを振り払うかのように、頭を横に振っている時もあった。


(夜天くん、どうしたんだろう?)


魔界に来た時はなんともなさそうだったが、今は具合が悪そうに見えて、花音は彼の方へ足を向けた。


「夜天くん!」

「・・・・・・」


近付いて声を掛けたが、夜天は気付かない。


「夜天くん!夜天くんってば!!」

「っ!」


さっきより大きな声で呼び掛ければ、漸く気付いたのか花音を見る。


「花音?どうしたんだ?」

「それはこっちが聞きたいよ。・・・具合悪いの?」

「・・・いや、大丈夫だ」

「・・・そう。もし何かあったら、すぐに言ってね」


首を振った夜天に、花音はそれだけ返した。
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