光の少女Ⅳ【神魔界編】
3

「・・・・・・」


次の日、花音は昼食の席にいる人数が少ない気がして、メンバーを見回していた。


(いないのは、夜天くんと沙羅さん、梨亜ちゃんと夜月くん、風牙・・・、どうしたんだろう?)


「なんだ?夜天の奴、いないのか?」

「朝もいなかったけど、気分でも悪いのか?」


花音の近くにいた光輝と雷牙の声が聞こえてくる。


「・・・そういえば、何日か前から調子が悪そうだったが」

「・・・私、様子を見てくるよ」

「・・・待て」


花音が席から立ち上がると、直ぐに風夜が声を上げた。

「何?」

「いや、俺が見てくる。・・・お前達は、夜天達に近付かない方がいい」

「どういう意味だ?」


風夜が言った言葉を聞いて、凍夜が眉を潜める。


「言ったままだ。・・・今はな」


言いつつ、紫狼、黄牙と何か意味ありげな視線を交わした後、風夜は夜天達の様子を見に出ていった。


「・・・お前達、何か隠してないか?」


それを見送って、神蘭が口を開き、紫狼を見る。


「ああ、そうだな。だが、まだ早い」

「何?」

「今、話したところで出来ることはない。もう少ししたら、動くだろうさ。この状況も、奴もな」

「奴?」

「そうだ」


そう言うと、紫狼は何処か楽しげに笑った。
< 79 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop