光の少女Ⅳ【神魔界編】

第5章 企み

1
日が落ち、花音達が寝静まった頃、街の外には黒蘭の姿があった。

彼女は岩に座り、水晶を見ている。

そこには眠ってはいるものの、魘されている様子の風牙、夜天、沙羅、梨亜、夜月が順に映っていた。


「ふふふ、そろそろ頃合いかしら?」


楽しそうに呟いて、黒蘭は立ち上がる。


「・・・さぁ、始めましょうか。・・・少しは楽しませてもらわないとね」


呟いた黒蘭の持っている水晶には、目を覚ました沙羅が映っていた。


「・・・・・・」

「ピ、ピイィ」


眠っていた花音は、白亜の声に目を覚ました。


「・・・ん・・・、どうしたの?白亜」

「ピイ、ピイィ」


鳴きながら、ドアの方を見る。そのドアの向こうから人の気配を感じた。


(誰だろ?)


疑問に思いながらも、花音はドアを開ける。

それとほぼ同時に、誰かにのし掛かられるように押し倒される。


「っ・・・」


そのまま首を絞められ、呼吸が出来なくなる。


「・・・沙羅、さ・・・」


薄れそうな意識の中で見えたのは、光を失った目をしている沙羅だった。
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