光の少女Ⅳ【神魔界編】
2


「今度は何だ!?」


花音の部屋を飛び出した凍矢を追い掛け、花音も廊下へと出る。

すると、一つの部屋の扉が外れて、廊下に倒れているのが見えた。


(あの部屋って、聖羅さんの・・・)


思いつつ、その部屋へ行き中を覗きこむと、そこには聖羅だけでなく神蘭と鈴麗の姿もあった。

気配を感じたからか、三人が殺気を飛ばしてきて、肩をびくつかせる。


「・・・何だ。お前達か」

「ごめんなさいね。殺気飛ばしたりして」

「それより、何してんだ?壁に大穴開けて・・・」


花音達と気づき、殺気をおさめた神蘭達に、凍矢が聞く。

彼が見ている先には壁があるはずだったが、その壁には大きな穴が開いていた。


「「「聖羅様!」」」


その時、足音がして、封魔、龍牙、白夜が飛び込んでくる。

その後からも、異変に気付いたらしい仲間達が顔を出したが、その中に花音を襲ってきた沙羅の姿はない。

いないのは彼女だけでなく、風牙、夜天、梨亜、夜月の姿も見えない。そして光輝の姿も。

それに嫌な予感がした時、聖羅が風夜と紫狼を睨み付けた。


「・・・一体、どういうつもり?」

「何のことだ?」

「惚けないで!味方だと思わせておいて、奇襲だなんて」

「おいおい、俺達は何もしてないし、させてないぞ」


紫狼がそう言い、肩を竦める。


「だったら、何故、風牙、梨亜、夜月が襲ってきたの?!上位魔族である貴方達が命じたんじゃないの!?」

「だから違う。何をしたいのかは、術を掛けてる奴に聞けよ」


その紫狼の言葉に、聖羅の目がきつくなったのがわかった。
< 82 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop