光の少女Ⅳ【神魔界編】
「・・・あ・・・」
(今、私・・・)
自分がしたことに、思わず身体が震える。
(私、夜天くんを・・・)
「ふふ、あはははは!」
「貴様っ!」
笑いだした黒蘭に、光輝が声を荒げる。
「ふふ、やっぱり、そうよね。戦いたくないと言っても、自分の弟の方が大事よね。よかったわね、弟が無事で。でも、ほら、追撃しないと起きちゃうわよ」
そう言う黒蘭の視線の先では、夜天がゆっくりと身を起こしていた。
「ほら、起きちゃった。・・・まあ、いいわ。ゲームの続きを・・・」
笑みを浮かべた黒蘭に何かが飛び、避けた彼女が珠のような物を落とすと、二発目がそれを壊した。
「何・・・!?」
それに黒蘭が信じられないといった表情を夜天へと向ける。
その先では光を取り戻した目で、夜天が黒蘭を睨み付けていた。
「馬鹿な・・・、まさかさっきの一撃で、私の術が消された?・・・そんなこと、あるはずない」
呆然と呟いている黒蘭を警戒しながら、夜天へと近付く。
「夜天くん!」
「花音、光輝・・・、悪かったな」
駆け寄った二人にそう言った夜天は、いつもの彼だった。