光の少女Ⅳ【神魔界編】
「夜天!」
「夜天くん!」
痛みはあったものの、すぐに起き上がり、倒れている彼に駆け寄る。
彼は花音や光輝と比べても、酷い傷を負っていた。
「お前、俺と姉上を庇って・・・」
「この三人じゃ、俺が、一番攻撃を受けても、ダメージは少ない筈だからな」
言いながらも、痛みからか表情を歪ませる。
「とにかく、早く手当てを・・・」
花音がそう言った時、夜天の身体に黒いものが巻き付いた。
そのまま、花音と光輝から引き離すように引き摺られていく。
「がああぁ!」
「夜天!」
「ふふっ!」
引き摺られて苦鳴を上げながら近くに来た夜天を、黒蘭が見下ろす。
「貴方だけは許さない。私のプライドをズタズタにし、私の計画を、楽しみをぶち壊しにしてくれた貴方だけはね」
言って、夜天の胸に手を当てる。
「ふふ、跡形もなく消し飛びなさい」
夜天に向けて魔力を放出しようとする黒蘭を見て、花音は咄嗟に光の矢を放つ。
「っ!」
矢は黒蘭の手へ当たり、怯んだ黒蘭に光輝が光弾を放つ。
そして、それを避けて黒蘭が距離をとったのを確認すると、二人は夜天を庇うように割って入った。