光の少女Ⅳ【神魔界編】
3

「どうぞ」


光輝と一緒に神麗の部屋に来ると、彼女は待っていたように直ぐに中に入れてくれた。


「あの宝珠は?」

「そこにあるわ」


そう言って、神麗が机を指す。

だが、そこには白っぽい欠片と黒っぽい欠片があるだけだった。


「えっと?」

「・・・まさか、これが宝珠だとかいうんじゃないだろうな」

「そのまさかよ」


顔を引きつらせた光輝に、神麗が言う。その表情は、真剣なものだった。


「これから話すことは、とても大切なことだからよく聞いて」


その言葉に頷く。


「前に、光の一族と闇の一族は神族と魔族からつくられたという話はしたわよね?」

「はい」

「その二つの種族は、他の一族と比べると歴史が浅い。そして、他の一族のように代々受け継がれていくような宝珠はなかった」

「えっ?じゃあ、今まで使っていたのは?」

「他の一族の物を真似て、後から造ったもの。自分達の強すぎる力を封じたものよ」


そう言い、神麗は壊れた宝珠の欠片を見た。
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