ずっとずっと、片想い
放課後、たくさんの生徒達が独立した動きをする廊下をすり抜けて、2年B組の教室へ辿り着いた。
「失礼しま~す……」
他学年の教室に入るのは少し躊躇してしまう。
そして同時に何故か緊張してしまうのはなぜだろう。
教室に入るともうかなりの人がそれぞれ適当な席に座っていた。
教卓と黒板の間には委員長、副委員長と思われる人が立ってなにやら話しているようだった。
……あ。
【広報委員】と書かれている使い古されたノートを片手に話し込んでいたのは、黒木先輩だった。
委員会一緒だったんだ。
嬉しくなった。
黒木先輩に気付いてほしくて、でも気付いてほしくなくてソワソワしてしまう。
ふと気が付くと目が合った。
が、すぐに目を逸らされてしまった。
……やっぱり昔の俺だって気付かないのだろうか。
――『またね!ツッくん!』
そのツッくんが俺だなんて気付くわけないか。
「それでは今から第1回広報委員会の話し合いを始めます。起立」
モヤモヤと考えていると黒木先輩の凜と透き通っている声が教室に響いた。
委員長なのか。
全員が一斉に起立し、一礼し着席するのを見届けてから話し合いが始まった。