ずっとずっと、片想い
「明日、放課後時間取れるかな」
黒木先輩の話によると放課後、各教室に1枚ずつポスターを貼りに行かなければいけないらしい。
俺は2つ返事で了承した。
「じゃあ、また」
「はい、失礼します」
この短い会話も凄く新鮮なものに思える自分がいる。
でも、まだ気付いていないみたいだ。
もどかしい。
その日の夜は寝つきが悪かった。
まるで遠足前日の小学生になった気分だった。
ただ2人きりでポスターを貼りに行くだけなのに、こんなにも緊張するのは、やはり黒木先輩のことを特別だとどこかで思っているからなのだろうか。
今までずっと黒木先輩のことが頭のどこかから離れなかったから、好きな人もできなかったのかもしれない。
そう考えると、黒木先輩が特別なのは当たり前だ。
と、自覚するともっと眠れなくなる自分が女々しくて。
ああ、明日が待ち遠しい。