ずっとずっと、片想い
重い腰をあげてふと足元に目をやると、生徒手帳が落ちていた。
拾って見てみるとそこには
【2年B組12番 氏名 黒木玲】
と記してあり、その横にはさっきの謎の美少女の写真が貼られていた。
黒木 玲
俺はこの名前を知っていた。
今から12年前。俺がまだ4歳だった頃。
毎日のように一緒に遊んでいた、2つ年上の女の子。
ずっと、ずっと好きだった女の子。
――『レイちゃん』
同じ高校だったのか。
いきなり引っ越してそれから連絡が取れなくなってしまったから、もう会えないとばかり思っていた。
また会えるなんて。
「2年B組……」
俺は放課後、2年B組に行くことにした。
黒木先輩に、会うために。