【完】僕と君のアイ言葉
「ねぇ、彩は好きな人はいないの?」
中学から仲のいい小西愛奈(こにし まな)は聞いてきた。
「えっ、私!?」
私、小松彩(こまつ あや)はあれから2年経ち、高校2年生の夏を迎えていた。
そして、只今絶賛恋バナ中。
「…いないなぁ…」
私は中3の夏、葵くんに告白して振られた。
葵くんに〝私と話してね〟と言ったのにも関わらず、私は卒業までの間避け続け、一言も会話をすることなく卒業していた。
それからなんとなく、私の中で恋愛をするということを避けて来ていたのだ。
だけど…
愛奈には言っていないけれど、忘れられない人はいる。
夏祭りの日、出会った人。
2年経った今でも、あの日のことを忘れてなんかいなかった。
未だに思い出す、彼の涙。
そして、〝星が綺麗ですね〟の一言。