【完】僕と君のアイ言葉
クラスの違う宙と別れ、教室へと入った。
そして、入ると真っ先に私の視界に入るのは田中くんだった。
「お、おはよう!」
昨日の光景が脳裏を過ぎり、目を見て挨拶をすることが出来ない。
「おはよう」
そんな私に対して田中くんはいつもどおりだ。
昨日私が見ていたことなんて気づいていないんだろうな…
こんな時、隣の席っていうのは複雑だ。
「…昨日さ、大丈夫だった?」
先に沈黙を破ったのは田中くんだった。
「あっ、うん。宙がね、来てくれて家まで送ってくれたから」
「えっ、宙って、君と仲の良い?」
「うん、山内宙だよ」