【完】僕と君のアイ言葉
「家って、宙くんは中に入ったの?」
田中くんは珍しく宙に興味津々だ。
「入ってないけど?」
どうしてそんな事聞くんだろう?
宙が私の家に上がろうが田中くんにとってはどうでも良いことなはずなのに。
「そっか…それで?!」
はい?!
田中くんの行動というか言動に驚き、軽く放心状態になってしまった。
そもそも、それで?と聞かれても…
何も無いんですが…
「宙はその後普通に帰ったよ」
とりあえず一連の流れを簡潔に伝えると、田中くんは〝そっか、そっか〟と言い、私への質問攻めは終わりを告げた。
そしてまた無言に戻り、私達は授業が始まるのを待つと午前中は一言も会話をすることなく終わった。