【完】僕と君のアイ言葉
「…」
だから、私は何も答えることが出来ず唇を噛んだ。
「ねぇ、僕なにかした?」
「…」
「…彩はな、お前のせいでっ「宙やめて!!!!!!」」
私は大声で宙の言葉を遮った。
「でも…」
腑に落ちない宙は難しい表情を浮かべている。
私は息を整えると無理矢理笑顔を作って話し出した。
「宙…ありがとう。…田中くんごめんね、昨日は…お母さんと喧嘩しちゃったの、それで泣いちゃったんだ…へへっ」
田中くんにだけは泣いていた理由を絶対にバレたくない。
田中くんだけは…
私が田中くんを好きだということを知られたくない。