【完】僕と君のアイ言葉
「宙がいてくれるから平気だよ」
私は涙を拭って笑顔を見せた。
「…なら俺といろよ」
「それ、昨日も言っていたよ?」
「…俺、ずっと…好きなんだ」
「…えっ?」
宙の目は真剣で、とても冗談を言っているようには見えない。
思いもよらない告白で、なんて言葉を返せばいいのかも分からない。
「こんな時に、こんなことを言うなんてズルイと思ってる。だけど…俺、今の彩見てると辛くなるんだ」
「…」
「俺なら彩を泣かせない。俺なら彩を幸せに出来るよ!」
「宙…」
こんなに宙は私のことを考えて、思ってくれているのに…
どうして私の脳裏には田中くんが思い浮かぶの。
「…ごめん宙「まだいいから」」
返事をしようとした言葉に対し、宙は言葉を被せてきた。