【完】僕と君のアイ言葉
けれど次に来たラインは、
〝君に負けた。分かったよ、待ってる〟
私の予想とは逆で田中くんの了承のものだった。
すかさず〝ありがとう〟と返信をする。
愛奈にことのことを伝えると、頭を撫で複雑な表情で褒めてくれた。
別れると伝えた日、愛奈は〝彩がそう決めたのには理由があるって分かってるよ。辛かったね…よく決断したね〟と言って泣きながら抱きしめてくれたんだ。
きっと私が田中くんのこと、本気で好きだってことに気づいてる。
だからそんな表情をするんだ。
ごめん、愛奈。
そんな私の頭の中は田中くんで一杯。
田中くんとの数少ない思い出が脳裏を過ぎり、つい涙を流してしまいそうになる。
「愛奈…私保健室行ってくる…」
「…私も行くよ」
「平気だよ」
涙を堪え、今出来る精一杯の笑顔を見せた。