【完】僕と君のアイ言葉


「ありがとうございます」



先生の言葉に従い、ベッドへと歩み寄る。



ポンポン──



そんな私の頭が大きな手に撫でられた。

もちろんその手は田中くん。



頭を撫でられつい、赤くなってしまい顔を下に向ける。

今この顔を見られたらマズイ…



「無理するなよ」



無愛想な私にそう言い残すと保健室を去って行った。



これから別れを告げようとしているのに、そんな優しくされたら決心が鈍りそうで怖くなる。

私は色々な気持ちを胸に抱きながらベッドへ横になった。

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