【完】僕と君のアイ言葉
「彩?大丈夫?」
どれぐらい寝ていたのだろうか。
全ての授業を終えた愛奈が迎えに来てくれた。
「大丈夫だよ」
行かなくちゃ。
田中くん用事あるって言っていたんだ。
こんな所でノロノロしている暇なんてない。
「彩…」
ベッドからノロノロと出ると、愛奈は私をギューッと抱きしめてくれた。
そして耳元で〝頑張って〟とエールを送ってくれたんだ。
「じゃあ、行ってくるね」
私はトボトボと歩きはじめる。
沢山泣いて、沢山寝たのに、体は鉛のように重たい。
けれどここで足を止めるわけにもいかず、足を進める。