【完】僕と君のアイ言葉


教室に近づいてくることは、終わりが近づくということ。

思わず涙が流れそうになる。



スゥーッ…

ハァーッ──



教室の前に着くと、静かに深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。



ガラガラ──



扉を開けると、すでに田中くんはいた。



時間無いって言っていたから、〝遅い〟とか言われそう…



「ごめ「具合は大丈夫?」」



そんな田中くんに謝ろうとした瞬間、言葉が重ねられた。

てっきり文句を言われると思っていたから驚きを隠せない。



「あ、う、うん。大丈夫」



「なら良かった」



田中くんは窓の外を眺めていた。

その表情は2年前を連想させる。

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