【完】僕と君のアイ言葉


「じゃあ僕行くね」



「うん…」



田中くんは私の横を通って行った。



これで全て終わったんだ…



心にポッカリと穴が空いているようにスースーする。



「ぅっ…」



これで良かったんだ。



下を向いているせいで、床にポタポタと涙が落ちる。

涙は止めどなく溢れ出てきて、手で顔を覆う。



「うぅっ…」



田中くん…



フワッ──



心の中で名前を呼んだ瞬間、後ろから誰かに抱きしめられた。

それと同時に田中くんのコロンの匂いがする。

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