【完】僕と君のアイ言葉
家を出ると電車に乗り少し先の愛奈の家を目指す。
駅は人が沢山いて、自分がちっぽけに思えた。
…このまま、どこかに行けたらいいのに。
田中くんに会わなくてもいい世界。
「はぁ…」
自分の考えに嫌気がさしてため息が出てしまう。
「あっ、小松さん?」
けれど、声をかけられ私の思考は途切れた。
名前を呼ばれ反射的に振り返れば、悩みの原因の1つでもある私服姿の吉田先生が立っていた。
「吉田先生…」
「お出かけ?」
私の気持ちをしらない先生はニコニコしながら話しかけてくる。