【完】僕と君のアイ言葉
そして、HRが終わると一気に田中くんはクラスメイトに囲まれてしまった。
と言っても、そのルックスに魅了された女子ばかりだが。
私はと言うと、愛奈に連れられ人けのない空き教室に。
きっと私と田中くんのことを聞かれるんだろうな…
「で?」
教室のドアを閉めるなり、早速質問された。
「…実は…」
私は葵くんに振られた後、田中くんに会ったことを伝えた。
でも、泣いていたことは言わなかった。
なんか、言ったらダメな気がしたから。
それに…
私だけ知っていたかったのも事実。
「ふーん…彩はよく2年も前のこと覚えてたね」
うっ…
鋭い愛奈はそこを指摘した。
「…その、えっと…あはは」
どう説明したらいいのか分からない私は笑顔でごまかす。