【完】僕と君のアイ言葉
今日の田中くんは朝からおかしい。
そのおかげで私は今、戸惑っていた。
机を4つくっつけ、愛奈と私の前には田中くんと同じクラスの三好くんが座っていて。
目の前に座る田中くんは珍しくニコニコしながら配られたプリントを眺めていた。
私はそんな彼が不思議でたまらない。
遡ること10分程前。
『今日は来週行われる遠足のグループ決めをするから、4人班を適当に作ってくれー』
と言う担任の言葉により、グループ作りが行われた。
行われたと言っても、みんな好き勝手、仲のいい人どうしグループを組むんだけれど…
『君は僕とね』
と言う隣の席の田中くんの言葉により、強引に決められたのだ。
もちろん。
私に拒否する時間なんて与えられなくて、彼は当たり前のように学級委員に伝えていた。
ご丁寧に、愛奈の名前も。
そんなこんなで、普段田中くん仲の良い三好くんと田中くん、愛奈と私というグループが出来上がっていたのだ。
そして、今に至る。
「あっ、お昼ご飯はさカレーにしない?!」
「小西さんそれいいね!!」
三好くんと愛奈は仲良くお昼ご飯の話で盛り上がっていた。