【完】僕と君のアイ言葉
せっかく、楽しいはずの遠足なのに…
私はどうしたらいいのですか…?
「…」
私は配布されたプリントをぼんやりと眺めていた。
今日の田中くんはとにかく変だ。
朝から妙に私に絡んでくるし!!
私をからかってなにが楽しいのかさっぱり分からない。
「君、テンション低いね」
そんな私の気を知らず話しかけてくる目の前の彼。
はっきり言って、超超超KY!!!!
誰のせいだと思ってるの!?
って言ってやりたいのを我慢して、〝気のせいじゃない?〟と答えた。
「怒ってるかと思った」
「えっ?」
「僕、勝手に決めたからさ…でも、僕。このグループなら楽しい遠足になると思ったんだ」
けれど田中くんの言った言葉は予想外で、私の胸中を軽くした。
彼の言葉を聞いたら不思議と戸惑いは消えていて、逆に嬉しさがこみ上げてくる。
「そうだね!楽しい遠足にしようね!」
私は笑顔でそう言うと、田中くんも微笑んだ。