【完】僕と君のアイ言葉


せっかく、楽しいはずの遠足なのに…

私はどうしたらいいのですか…?



「…」



私は配布されたプリントをぼんやりと眺めていた。



今日の田中くんはとにかく変だ。

朝から妙に私に絡んでくるし!!

私をからかってなにが楽しいのかさっぱり分からない。



「君、テンション低いね」



そんな私の気を知らず話しかけてくる目の前の彼。



はっきり言って、超超超KY!!!!

誰のせいだと思ってるの!?

って言ってやりたいのを我慢して、〝気のせいじゃない?〟と答えた。



「怒ってるかと思った」



「えっ?」



「僕、勝手に決めたからさ…でも、僕。このグループなら楽しい遠足になると思ったんだ」



けれど田中くんの言った言葉は予想外で、私の胸中を軽くした。

彼の言葉を聞いたら不思議と戸惑いは消えていて、逆に嬉しさがこみ上げてくる。



「そうだね!楽しい遠足にしようね!」



私は笑顔でそう言うと、田中くんも微笑んだ。

< 159 / 258 >

この作品をシェア

pagetop