【完】僕と君のアイ言葉


なんだか…不機嫌そうに見える…



「ねぇ、そこ通り道なんだけど」



そこまで言われて気がついた。

私達は教室のドアの前で話していたため、通路を塞いでいることに。



「ご、ごめんね!!」



謝るとそそくさと避けた。



「別に怒ってないよ」



「そ、それなら良かった」



そんな私を見て、田中くんは一瞬微笑んだように見えた。



なんだろう?



「今日は色々ありがとう。これからもよろしくね」



不思議に思っていると、今日1日のお礼を言われた。



「ううん!大丈夫だよ!こちらこそよろしくね」



改まってお礼を言うようなことじゃないと思うんだけどなぁ…



「それじゃあ、バイバイ」



「うん、バイバイ!」



私は軽く手を振って田中くんを見送った。



「…アイツと……なんかあったの?」



そんな私と同じく田中くんを見ていた宙が私に静かに聞いてきた。

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