【完】僕と君のアイ言葉
「彩!これ返すの忘れてた!」
昼休み。
宙が昨日貸した数学の教科書を持ってクラスにやって来た。
「大丈夫だよ」
そう言って受け取った教科書。
「それじゃあ、俺行くね!」
「うん。じゃあね!」
宙とバイバイすると私は教科書を持って席へと戻った。
「宙くん、最近来るね」
そんな私の様子を見ていたのか、田中くんが言ってきた。
突然かけられた言葉に驚いて彼を見ると、彼はうつ伏せにしながら顔をこちらに向けていた。
不覚にもその姿が可愛いとか思ってしまう…
「そ、そお?」
「うん。絶対君のこと好きだよね」
「へっ!?」
思いもしない言葉に胸がトクンと跳ねた。