【完】僕と君のアイ言葉
キーンコーン──
準備も終わり窓の外を眺めていると、チャイムが鳴り授業が始まる。
「えーじゃあ、この間の問題の答え合わせから始めます」
先生がそう言ったため、この間のページを開く。
そう言えば、あのラクガキ消すの忘れてたな。
そんなことを考えながら開いた教科書。
あれ?…
けれど次に私がしたことは、ラクガキを読み返すことでもなく。
ラクガキを消すことでもなく。
ただ、開いたページ数を確認することだった。
「私…消したっけ?」
不思議すぎて思わず声に出してしまう。
「どうしたの?」
田中くんは不思議そうな顔をして訪ねてくるし…