【完】僕と君のアイ言葉
そしてその後に見せた宙の顔を思い出した。
あの時は気づかなかったけれど…
曇った顔をしていた…
じゃあ、宙は全部気づいているってこと?
「君、顔色悪いけど大丈夫?」
私、最低なことした。
宙は私が田中くんのことを好きなの知ってる。
でも、宙は私のことを好きだと言ってくれた。
私が宙の気持ち1番分かるはずなのに。
好きな人が誰かを好きだということは、どれだけ辛いことなのか、知っているのに…
「バカだ…私…」
「どうしたの?」
宙を傷つけてしまった──
「先生!私、用事ができました!!!!」
私はそう言うと教科書を持って勢いよく教室を飛び出した。
宙、ごめんね。
私は宙の教室を目指しひたすら走った。