【完】僕と君のアイ言葉
そんな宙に連れて来られた場所は屋上だった。
「彩、どうしたの?」
宙は優しく私に問いかけた。
どうしてそんなに優しいの…
いつまでも優しい宙に申し訳なくて、持っている教科書を強く握った。
「…それ…」
私の握っている教科書を見て宙は全てを悟ったようだった。
「ごめんねっ……」
ポンポン──
宙は私を落ち着かせるように頭を撫でた。
「俺、カッコ悪いよね」
そんな言葉に頭を振った。
宙はカッコ悪くない。
むしろカッコイイよ。
「彩の前ではカッコつけといて…心は超狭い、ダメな男だよな。ハハッ…」
宙…