【完】僕と君のアイ言葉
そんな中貸してもらった数学の教科書にはラクガキがしてあった。
彩の丸い文字と、微妙に綺麗な文字。
妙に胸騒ぎがした。
けれど根拠もないし、脳裏に過ぎった考えを必死で振り払う。
放課後教科書を返すため、廊下で彩を待っていた。
そんな俺達のところにタイミング良く登場するアイツ。
明らかにワザとだろ。
って言いたくなるような、俺を睨むアイツの目。
彩を傷つけといて、なにがしたいのか訳が分からない。
俺も負けじと睨み返した。
そして、
『今日は色々ありがとう。これからもよろしくね』
アイツは俺に見せびらかすように彩に話しかけると帰って行った。
俺には分からない、意味深な言葉。