【完】僕と君のアイ言葉


そんな中貸してもらった数学の教科書にはラクガキがしてあった。



彩の丸い文字と、微妙に綺麗な文字。



妙に胸騒ぎがした。

けれど根拠もないし、脳裏に過ぎった考えを必死で振り払う。



放課後教科書を返すため、廊下で彩を待っていた。

そんな俺達のところにタイミング良く登場するアイツ。



明らかにワザとだろ。

って言いたくなるような、俺を睨むアイツの目。



彩を傷つけといて、なにがしたいのか訳が分からない。

俺も負けじと睨み返した。



そして、



『今日は色々ありがとう。これからもよろしくね』



アイツは俺に見せびらかすように彩に話しかけると帰って行った。



俺には分からない、意味深な言葉。

< 178 / 258 >

この作品をシェア

pagetop