【完】僕と君のアイ言葉

宙の時折見せる寂しげな表情。



きっと、私がそんな顔にさせてるんだ…



私、いつも宙に頼りっぱなしで、なにもしていない。

私が出来ることって、なにがある？



「君、顔怖いよ」



そんな私を見ていたらしい、田中くんが言ってきた。

きっと眉間にシワが寄っていたんだろう。



「…」



「えっ、僕を無視するの？」



無視できるものならしたいよ。

私の気持ちなんか。

こんな気持ちなんて無視して宙を好きになりたいよ。



「田中くんしつこ「僕さ、好きなものは側に置いておきたい派なんだよね」」



〝しつこい〟と言おうとしたら、言葉を遮られてしまった。

おまけに、またもや意味の分からない言葉。



「意味分からないよ」



「じゃあ…君の為に特別に、簡単におしえてあげる」



彼は少し口元を緩め微笑んだ。