【完】僕と君のアイ言葉
「ねぇ、答えてよ」
「彩?」
田中くんの問に答えない私を心配して、宙は私の肩に手を乗っけた。
宙の手は暖かくて安心する。
私はいつもこの手に支えられてきたんだ。
静かに深呼吸をすると、静かに顔を上げ田中くんの方を振り向いた。
私がそんな彼に出来ることはこれしかない。
「私ね、宙と付き合ってるんだ」
そう言って宙の手を強く握ってみせる。
「えっ…」
「彩…」
「…」
愛奈と宙は驚いていたけれど、田中くんに関してはただ呆然としていた。
「宙が、好きなんだ」
そして自分に言い聞かせるように呟いた。