【完】僕と君のアイ言葉
幸いなことに、田中くんは授業が終わると直ぐに帰ったらしく姿を見ずにすんだ。
学校から近くのスーパーへと向かい、紙に書かれた食材をカゴに入れていく。
うっ…結構たくさんある…
書かれた物を全て入れたカゴはぱんぱんで、今更ながら愛奈に来てもらうべきだったと後悔した。
それでもなんとかお会計を済ませ、袋に詰め込んでスーパーをあとにする。
けれど、
「持つよ」
そんな私に声をかけた人がいた。
声のした方を見ると、先に帰ったはずの田中くんの姿。
なんでいるの?
頭の中はその言葉で埋め尽くされる。