【完】僕と君のアイ言葉
「貸して」
彼はそう言うと私の持つ袋3つ全てを持ってしまった。
あまりにも状況がのみ込めず、されるがまま。
そしてボーっと立っている始末。
「君、突っ立っていないでさ歩くよ」
「う、うん」
そして田中くんに続いて歩いた。
目の前を歩く田中くん。
学校以外でこうやって近くで見るのは久しぶりな気がする。
「てか、なんでこんな大荷物なの?本当来てよかった」
そして、どこかいつもより優しい気がした。
歩いているうち、だんだんと状況がのみ込めてきて、私は慌てて田中くんの荷物を奪い返そうとするが「これは僕の仕事」と言って荷物を返してくれなかった。