【完】僕と君のアイ言葉
「ねぇ」
「…なに?」
荷物を持たせている申し訳なさと、宙に対する後ろめたさ。
どちらかと言えば後者の気持ちが強く、返事が冷たくなる。
「お昼言っていたこと本当?」
未だに信じていないのだろうか。
「…本当だよ」
「ふぅーん。でも、僕もう逃げないから、覚悟しといて」
〝逃げない〟という言葉が、今まで逃げてしかいなかった私の胸を突き刺した。
まるで自分のことをダメ出しされている気分。
「…」
その言葉になにも返すことが出来ず黙りこくった…