【完】僕と君のアイ言葉
「着いた」
そんな私の歩調に合わせた足取りは、ある場所で止まった。
「どうしたの?」
「ここ、僕の家。荷物置くから入って」
そしてそれだけ言うと私を中へと入れた。
えっと…私はどうしたらいいの?
「僕の部屋2階の突き当たりだからそこで待ってて」
あまりにも緊張しすぎて、言われるがままに部屋へと向かう。
「あれ?お客さん?」
そんな私の目の前に田中くんと顔が似ている男の人が現れた。
「お、お邪魔します!」
「初めまして。俺は渉の兄の田中涼(たなか りょう)です。君は渉の彼女さん?」
「は、初めまして。私は小松彩です。彼女ではありません!」
「兄貴変なこと聞かないでくれる?てかなにしに来たの?」
てか、お兄さんに向かってなにしに来たのって。