【完】僕と君のアイ言葉


「よかったら田中くんと一緒に来て?」



そう言って渡された結婚招待状。

目の前には幸せそうな笑顔を振りまく吉田先生。



でも…



「ごめんなさい。私、行けないです」



私には宙がいる。

もう、宙のことしか見ないって決めたから。



「…残念…でも、気が向いたら来てね。まだ2ヶ月もあるから」



「…はい」



行くことがないであろう結婚式に、軽く頷いて招待状を受け取ると、



「じゃあ、私は失礼します」



深々と頭を下げて走って教室に戻った。

< 224 / 258 >

この作品をシェア

pagetop