【完】僕と君のアイ言葉
なんとなく、愛奈は気づいている気がした。
私が宙と田中くん、どちらに行けばいいのか迷っていたことに。
「…ありがとう。でもね、これで良いんだ」
宙には私が必要。
私は宙の力になりたい。
この気持ちがただの情だったとしても、お互い苦しみを知っているから、宙の側にいてあげたいって思うんだ。
「そっか…」
「心配してくれてありがとう」
そんな私の言葉に優しく頷いて、
「ほら、時間に遅れるよ!?」
相変わらず私の心配をしてくれた。
「行ってきます!」