【完】僕と君のアイ言葉
でも、教室に着くと〝わりぃ〟と言って手を離してくれた。
「うん…」
この田中くんの行動のおかげで、私達が付き合っているという話が広まった。
そして、私と田中くんは生徒からの質問攻めにあってしまう始末。
「ねぇ、どっちから告白したの?」
そんな質問の中で1番困ったのは、この質問。
告白とか、私達に存在してすらいない。
「えっと…」
「それは、内緒」
すると隣の席から田中くんが私の代わりに答えてくれた。
口の前に指1本立てながら。
そんな姿に女子はメロメロだ。
内緒もなにも、存在しないんだけど…
てかこれじゃ、私は好きじゃない、なんて口が裂けても言えない。
田中くんの思うつぼじゃない。