【完】僕と君のアイ言葉
キーンコーン──
そしてタイミングよくチャイムが鳴り、私達の質問攻撃は一旦終わった。
精神的にも、色々と疲れたんですけど。
チラッと隣の田中くんを盗み見た。
なんで、私なの──
心の中で聞いた。
もちろん答えなんて返ってこない。
「どうしたの?」
見ていたことに気がついた田中くんが私にそう言った。
「なんでもないよ」
口調は優しいのに、温かさは感じられない。
脳裏にあの時の涙を思い出す。
なぜか私は田中くんが心に引っ掛かったんだ。
それから午前中はずっと隣の存在が気になって仕方がなかった。