【完】僕と君のアイ言葉
「私ちょっと宙のところ行ってくる」
私はお弁当を持ってイスから立ち上がった。
「えっ!?宙?どうして??」
「…これあげてくる。宙さ、2つ食べるって言ってたし」
せっかく作ったお弁当を捨てるとかもったいないじゃん。
それに早くこの複雑な感情を取り払いたい。
「私も行くよ!」
愛奈はそう言ってついて来てくれた。
宙のクラスに向かっている間、愛奈は私に〝本当にいいの?〟って何度も聞いてきた。
そのたびに〝うん〟と返事をする。
宙の教室に着くと中を覗いた。
「どうしたの?」
宙を探していると、背後から宙の声がした。
飲み物でも買いに行っていたんだろう、手には飲み物が握られている。
「あのね、これ、良かったら…食べて?」
私はお弁当の入っているバックから1つお弁当を取り出す。
「えっ?」
宙は状況がいまいち掴めていないみたいだった。