【完】僕と君のアイ言葉
オムライスが好きそう…?
少なくとも私は田中くんがオムライスが好物には見えなかった。
どちらかと言うと、男の子だしガッツリした食べ物が好きそう。
「…そうですか」
「う、うん!そ、それじゃ、田中くんをよろしくね!!」
よろしく?
先生はそう言うと慌ただしく行ってしまった。
なんで先生によろしくされなくちゃならないの?
先生は田中くんのなんなの?
私は先生の後姿を眺めた。
そして、昨日の田中くんを思い出した。
誰もいない廊下。
その廊下を寂しそうに見つめる田中くん。
でもその廊下は、吉田先生が通った廊下。
あんな表情を見て、今日の吉田先生の様子を見て、何も感じないわけがない。
私の心に再びモヤモヤが浮かび始めた。