【完】僕と君のアイ言葉
こんな田中くんの楽しそうな声色…
私と話すときはしてないよね…
自分と先生を比べては、その差に傷つく自分がいた。
ガタッ──
その時、私は近くの物置を蹴ってしまった。
その音が静かに響く…
「…誰か来たのかも。ごめんね、行くわ…」
そして空き教室の中からはそんな言葉が聞こえてきた。
その言葉が聞こえると、空き教室のドアは開かれ私は慌てて近くの物陰へと隠れた。
「由結」
「だから…先生って「また、会えるよな?」」
田中くんは先生の言葉を遮って、いつもの余裕なんて見せていなかった。
その余裕の無さは、心から愛してる証拠だろう。
私の胸は更にギューっと痛くなる。
涙は流れ続け、声を堪えて泣くことで精一杯。