【完】僕と君のアイ言葉
吉田先生はすごく綺麗だ。
髪は長くて、華奢で…
…田中くんは…
こんな人が好きなんだな…
無意識にも思考がそっちに向いてしまう。
「小松さん??」
黙り込んだ私の顔を先生は覗き込んでいた。
「…何でもないです。それじゃ…」
私は先生から素早く離れ逃げるように歩き出す。
「あっ、ちょっと待って!!」
けれど先生は言い忘れたことでもあったのか、私を呼び止めた。
「な、なんですか?」
綺麗な先生を見ていると自分が惨めに感じる。
だから早くこの場から立ち去りたいのに…